働くことは生きること 〜100歳、ずっと必要とされる人 ──現役100歳サラリーマンの幸せな生き方──

みなさんは、なぜ働くのですか??何歳まで働きたいですか??


もし、宝くじで6億円が当たったら...
毎年1千万円使っても60年、
年収が3千万あれば、何かを買うのに迷わなくなるといいますから、
年に3千万使ったとしても、20年は過ごせるわけですよ。


それだけの貯蓄があるのに働き続けますか?
それとも働くことを止めますか??



私はどうだろう??


ゴールデンウィーク中に、自分の「人生スケジュール」を作ってみたのだけれど、
その中に「退職」は書いていなかったなぁ。。。


それはたぶん、今の私が「働かない」ということを考えられなかったからだと思います。(ただ単に思いつかなかっただけ、とも言えるかな(;^_^A)




さて、今日ご紹介するのは、100歳を超えても、約1時間の電車通勤しながら会社に通う現役サラリーマンである福井福太郎さんの本です。

【目次】
まえがき
序 章 辻堂から神田まで、僕の毎日。
第1章 昔えらかったとか、えらくなかったとか、どうでもいいことなんです。
第2章 100歳まで働けるなんて、ありがたいよ。
第3章 働き続けるのは、それが本能だからだよ。
第4章 差別も軍隊生活も経験した。でも、不幸だなんて思ったことはないよ。
第5章 死んだら宇宙の一部になれるんじゃないかな。
第6章 人間、人のために生きなきゃ。
第7章 日課は、新聞を読み、辞書を引くこと。長生きの秘訣? そんなものないよ。
第8章 資本主義だって、永遠には続かないよ。
第9章 もう死ぬことなんて、あまり考えなくなったよ。
あとがき


では、この本の著者である福井福太郎さんは、なぜ100歳になっても働いているのか??
その答えの1つは第3章の章題にもなっていますが「働き続けるのは、それが本能だから」とおっしゃっています。

 ただ僕は、元気な間は、人間はずっと働かなきゃいけないと思っているんです。だって、動物は死ぬまで自分の力で食料を調達して生きていますよね。人間も動物の一種なんだから、生きるために死ぬまで働かなきゃいけないものなんじゃないかな。
 たとえば象は、死期を感じると群れを離れていくそうですよ。でも、それまでは自分で食べ物を見つけながら生きている。猫も、死期が近づくと姿を消すとよく言われるよね。飼い猫は別だけど、野生の猫はそれまでは自分で生きている。だから、象や猫と同じように動物である人間だって、死ぬまで働くというのは、当然の行為なんじゃないかな。

<中略>

 だから、動物がそうであるように人間というのは一生、生きるために働く存在だと思うんです。人間も動物なのだから。僕は生きのびることに対する本能が強いから、働いているんだと思う。(p49-50)

元気だから働くのか,働くから元気なのか??
答えはおそらく「働くから元気」なのでしょう。

定年退職して仕事をしなくなったとたん老け込んだ、という話も聞きますから、働き続けることは、元気でい続けるための秘訣の1つなのでしょう。



でも、ただ単に働いていればいいのか?そうではありませんよね。

"Si le grain meurt"(一粒の麦もし死なずば)を「人間は人の役に立ってこそ価値がある」という意味だと受け止めた(p96)り、
仕事に、優劣なんてないんですよ。どんな仕事も、世の中に必要なことをやってるうちは、価値があるんです。(p74-75)

とおっしゃる福太郎さん。
こんな考え方や、ここでは紹介しませんでしたが「利他の精神」を持ち続けて働いているから、『100歳、ずっと必要とされる人』なのでしょう。


いくつになっても人に必要と思われ、働き続けられるように、福太郎さんにいただいた言葉を忘れないようにしたいと思います!




この本の「まえがき」の最後に

 本書を手にとったすべての人が、天に召されるその日に「いい人生だったな」と思えるような「おみやげ」を、これからご紹介する福太郎さんの言葉の数々から受け取っていただけることを、心より祈っています。

と書かれているのですが、この『天に召されるその日に「いい人生だったな」と思える』というのは、私の人生の最終目標でもあります。

本書の中で

きっと誰でも、人生って長くなれば、山あり谷あり。人生だって、景気だって、ずっといいなんてこと、ないんだから。そんなものではないかなあ。(p73)

と、福太郎さんもおっしゃっていますが、そのとおりですよね。
良いことも、よくないこともあったけど、『天に召されるその日に「いい人生だったな」と思える』ことがいちばんの幸せではないでしょうか。


このまえがきはここ「100歳、ずっと必要とされる人 ──現役100歳サラリーマンの幸せな生き方──」から読めますので、ぜひ読んでみてください!
福太郎さんのステキな笑顔の写真もありますよ^^





前回、前々回と速読に関する記事を書きましたが、
無類の読書家としても知られているライフネット生命保険の出口社長
「読書は著者との対話なのだから、速読はしません」
とおっしゃっています。


この本は、まさにそんな感じ、
本を読んでいるのだけれど、横で福太郎さんが語ってくれているような感覚でした。

速読ではなく、じっくり福太郎さんと対話しながら読んでほしい本です。
実際に私も何か所も突っ込みを入れたくなりましたから(笑)


たとえばこの部分

 最近はそんな僕でも、さすがに歳を取ったなあと感じることがあります。まだ僕が70代で若かったころは、宝くじの券を何万枚も運ぶような仕事を、若い人たちと一緒にやっていたこともありました。それに80歳くらいまでは、僕が一番、歩くのが速かった。それなのに、95歳ぐらいからはさすがに老化を感じるようになったので、重たいものはあまり持てなくなってしまいました。(p22)

70代で若かったころ??
95歳ぐらいからはさすがに老化を感じるようになった??


静かな電車の中で読んでいたのですが、思わず ヾ(・・;)ォィォィ と声が出そうになりました(笑)


そんな福太郎さんとの対話を楽しんでみてください^^



■この本は日経BP社様よりお贈りいただきました。ステキな本を読む機会をいただき、ありがとうございました。



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