プレゼンは魅せるもの 〜スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン〜


この本のことは、私の大好きなスーパーぽにょさんが作成しているフリーペーパーで何度も紹介されているので、前から知っていたのですが読まずにいました。(フリーペーパーについては、こちらの記事で 『イノベーション』フェアで配布されているフリーペーパー、全て入手しました^^


読まなかった理由として思いつくのは2つ。(ホントは3つと言いたかったのですが...。その理由は、この本を読めばわかります^^)


1つは、私がプレゼンテーションをする機会はないし、関係ない、と思ったから。



もう1つは、こちらの方が本当の理由だと思うのですが、
私がアンチAppleだから...



アンチAppleといっても、iPod は shuffle も touch も持ってるし、携帯電話(スマホ)は iPhone なんですけどね(;^_^A



よくよく考えると、アンチ"Apple" ではなく、アンチ"マック"かもしれません。
それも、マックはちょっとしか使ったことがないからという理由で。
いわゆる”食べず嫌い”ってヤツなのでしょう。



それなのに、なぜ今回読もうと思ったのか、実際に読んでみたのか、というと、

2週間ほど前に、職場でパワーポイントを使って発表をしたからなんです。



私は技術屋なので、発表(プレゼン)といっても”物”についてではなく、それまでにやった技術検討結果についての”報告”だったのですが、


これもプレゼンみたいなもんだよな〜 じゃぁ、この本『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン』を読んでみるか!
と思ったからなのです。



実際、この本の「訳者あとがき」にも

 最後にもうひとつ。プレゼンテーションというとスライドを使ってしゃべることを想像するが、それは狭い意味でのプレゼンテーションだ。広くとらえれば、誰かを説得したいと思って話をするとき、すべてがプレゼンテーションとなる。製品の売り込み、就職や転職における自分の売り込みなど、仕事に関するものはもちろんだが、それに限るものでもない。説得というのは、私生活でもさまざまな場面で登場する。p381

と書かれていますからね。




と、前置きが長くなってしまいましたが、この本を読んだ感想を3つ簡潔に書くと、

  • おもしろい
  • 怖い
  • でも、ためしてみたい

では、それぞれどういうことか、ということを書いていきたいと思います。



最初の『おもしろい』は、そのままです。
スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションについての解説を読んで、素直に『おもしろい』と思いました。
と同時に、本書で紹介されているプレゼンを動画で観てみたい!とも思いました^^
当然英語でしょうから、私に理解できるかどうかは別として、ジョブズがプレゼンする際の身振り手振りや話し方(抑揚),間の取り方を観るだけでも楽しいだろうな〜と思います。



次の『怖い』ですが、

ジョブズのプレゼンでは、言葉もスライドに書く内容も、削って・削って・削って・・・、シンプルに・シンプルに・シンプルに・・・
なっているのですが、そこまで削って大丈夫なんだろうか??ちゃんと伝わるのだろうか??と思ったんですよね。
だから、自分がスライドを作ったり、話すことを想像すると、「そこまで削って大丈夫なの??」⇒『怖い』と思ったのです。


削ることが怖いと思う理由(らしきもの)が解説に書かれていました。

 ビジネスプレゼンでもそのような図を最初に書いてくる人が多いが、私がプレゼンの添削をするときには、「マンダラアートは不要です」と厳しく削除してしまう。思うに日本の大企業の人は、大事なことを伝えるよりも、些末なことであっても聞いてないと言われることを心配しているのではないかと思う(日本の企業から靴eメールが極めて長文であるのにも全く同じ動機を感じる。相手は恐らく読んでいないが、書いたという事実を残し、責任を転嫁するのに意義があるようだ)。p392

これは耳が痛いです。
私が作ったスライドを思い浮かべてみると、箇条書きもマンダラアートもいっぱいあります。というより、それ以外はないといった方が正しいかもしれません(^^;

まぁ、私が行うのは、プレゼンと言っても職場内の、それも、聞こうという意思のある人に対してなので、

「聞いて理解しようと努力してくれる人に対して、各種データを提供していただけ」p386

でもよいのかもしれませんが。


でも、それ以外にも、顧客などに自分の考えを説明して、納得,採用してもらわなければならない場面もあるので、「自分の言いたいことが相手に伝わり、共感して」もらえるようなプレゼンをしなければならない場面もあります。



そういう意味で、感想の3番目「でも、ためしてみたい」なのです^^
でも、この「ためす」というのは、そう簡単なことではないんですよね。
本書でもダニエル・レビティン書籍から「どのようなことであれ、世界的な達人というレベルまで熟達するには1万時間の練習が必要なのです・・・」との記述があります。
そう、一朝一夕に成せるのもではないということなのです。。。


私は「世界的な達人というレベルまで熟達」しようなどとは思っていませんが、それでも、それなりの成果が出せるレベルにはなりたいです。そして、そのレベルに達するまででも千時間は必要だろうと思います。プレゼンの機会だけ練習しても、そんな時間を取れないと思うので、日々考えている必要があるのでしょう。





最後にもうひとつ、スピーカーの心構えとして

 フィギュアスケートの選手が難しい振り付けの滑りをしているところを想像してほしい。小さな失敗で尻もちをつくところを見たら思わず顔をしかめてはしまうが、すぐに立ち上がって最後まで滑りきってほしいと思うはずだ。プレゼンテーションを聞きに来る人たちも同じことを思う。完璧でなければならないと思うのはスピーカーだけ。多少の失敗があっても最後までちゃんと話せば、聞き手は許してくれる。p362

との文章があります。


いくら練習していても失敗はある。
失敗した後、どうするのか?
そこで止めてしまうのか?
なにごともなかったように、進んでいくのか?


これはプレゼンに限らず人生(といったら大げさかな)にも当てはまるのではないでしょうか。
ミスをするのは想定内。ミスがあっても最後まで演じ切る。
そんな心構えも必要なのだと思います。


ただし、ミスがあってもそのまま動揺しないで続けるには、事前の準備がたっぷりと必要なのでしょうが。。。





本書の「訳者あとがき」に

 さて、訳者の独断と偏見で本書の上手な使い方を提案したい。次の3段階だ。
 最初は、楽しんで読む。分析の対象はジョーク好きのジョブズである。にやりとしたり吹き出したり、自分の感情が揺れ動くのを楽しみながら読んでほしい。

 <中略>

 2度目は、自分のプレゼンテーションに応用することを考えつつ、著者の分析に耳を傾けて読む。プレゼンテーションの動画もなるべく見てみよう。

 <中略>

 最後はプレゼンテーションへの応用だ。プレゼンテーションをする機会が訪れたら、まず本書を取り出そう。シーン1からシーン18まで、章末にまとめられているポイントを見ながら準備を進めるのだ。<後略>P379〜380

との記述がありますが、これは、すごくいい方法だと私も思います。
私は最初に読むときに「楽しんで読む」+ちょっとだけ「自分のプレゼンテーションに応用することを考えつつ」読みましたが、これからは動画も見て、次回プレゼンする機会があれば、本書を取り出して、ポイントを見ながら準備してみたいと思います。


そう思うと、本書は楽しく読める読み物であるだけでなく「実用書」でもあるのですね^^
しっかり活用したいと思います!!



プレゼンする機会なんてない、という人も多いと思いますが、でも、他人と交渉して”説得”することは誰にでもあると思います。
そんなときのために、一読、といわず、2度3度読んでおくことをお勧めします^^



注)
冒頭に「私の大好きなスーパーぽにょさんが作成しているフリーペーパー」と書きましたが、区切り位置を間違えないでくださいね〜
私の大好きな「スーパーぽにょさんが作成しているフリーペーパー」であって、「私の大好きなスーパーぽにょさん」が作成しているフリーペーパーではないので...
ここでスーパーぽにょさんに愛の告白をするつもりはありませんから〜〜(笑)



せっかくなので、こちら『スティーブ・ジョブズ驚異のイノベーション』も読んでみようと思います^^